ロボット支援手術センターこのページを印刷する - ロボット支援手術センター

ロボット支援手術センター

当院では、2024年12月より内視鏡手術支援ロボット「da Vinci(ダビンチ)Xi」を導入し、泌尿器科におけるロボット支援手術を開始しました。
 最新の医療技術を導入するにあたり、安全かつ確実に提供できることを目的として、ロボット支援手術センターを設置、関係職種のスタッフがチームを組み一丸となってロボット支援手術を実施します。
執刀する医師は、ダビンチの製造元であるIntuitive Surgical社の定めるトレーニングを修了し、認定資格を取得しています。
 今後は消化器外科領域を始めとして、他科領域におけるロボット支援手術の導入を支援し、ロボット支援手術による安全かつ良質な医療を地域の皆様に提供いたします。

担当医紹介(常勤医師)

滋野俊

小川 輝之
(おがわ てるゆき)

ロボット支援手術センター長
泌尿器科部長
平成10年卒
専門領域
  • 泌尿器悪性腫瘍、排尿障害
専門医等
  • 日本泌尿器科学会泌尿器科専門医・指導医
  • 泌尿器腹腔鏡手術技術認定医
  • ロボット(da Vinci)手術認定医
  • 泌尿器ロボット支援手術プロクター(da Vinci)
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 日本臨床腎移植学会腎移植認定医
村中太

村中 太
(むらなか ふとし)

副ロボット支援手術センター長
外科部長
外科系救急副部長
平成15年卒
専門領域
  • 一般消化器外科
  • 消化器外科
  • 腹腔鏡手術
専門医等
  • 日本外科学会専門医
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
  • 日本消化器外科学会 専門医
  • 日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医
  • 日本内視鏡外科学会 技術認定医
  • 日本食道学会 食道科認定医
 

手術支援ロボットda Vinci(ダビンチ)Xi

ダビンチは米国インテュイティブサージカル社が開発した手術用ロボットです。当院は第四世代にあたる最新鋭のda Vinci(ダビンチ)Xiを導入しました。
 内視鏡手術支援ロボットは、わが国においては2009年に薬事承認を得、2012年に前立腺がんに対する術式が初めて保険適応となりました。以降も保険適応の拡大とともに全国に普及しましたが、上小医療圏内の導入は当院が初めてとなります。

 ダビンチは、4本のアームを備えた①ペイシェントカート、執刀医が操作する➁サージョンコンソール、ダビンチの機能の中枢で手術中の様子を高画質で映し出す③ヴィジョンカートの3つのユニットから構成されます。

① ペイシェントカート
 手術を受ける患者さんに直接触れ、4本のアームで手術を支援するユニットです。1本のアームには高画質で立体的な3Dハイビジョンカメラが装着されていて、その他の3本のアームには専用鉗子を取り付けられます。4本のすべてのアームは、②サージョンコンソールを操作する執刀医の手の動きを正確に再現します。

ペイシェントカート
ペイシェントカート

 

② サージョンコンソール
 執刀医が操作するユニットです。①ペイシェントカートのアームに取り付けられたカメラが映しだす高画質で立体的な3Dハイビジョン画像を見ながら、その他3本のアームに取り付けられた鉗子をすべて操作します。自由自在に動く鉗子は360°以上回転し、人間の手首や指の関節可動域以上の動作ができ、手振れも補正されているため、柔軟かつ繊細な動きが可能です。従来の鏡視下手術で不可能であった複雑な手術操作も可能になりました。

サージョンコンソール
サージョンコンソール

 

③ ビジョンカート
 手術支援ロボットであるダビンチのあらゆる機能をつかさどる中枢ユニットです。ペイシェントカートから送られてくる手術中の画像から最適な3D画像を作成します。カートのモニターには手術中の様子が高画質に映し出され、サージョンコンソールで操作する術者以外のスタッフもリアルタイムに手術内容が把握可能です。また、モニターはタッチパネルなので、指で線などを描くことで術者に視覚的な情報を伝えることも可能です。さらに、高性能電気手術装置が搭載されており、出血量軽減の一助になっています。

ビジョンカート

ロボット支援手術のメリット・デメリット

ダビンチによるロボット支援手術は、鏡視下手術と同様傷口が小さい低侵襲手術です。ロボットの正確な動作により安全で精密な手術が可能なため、手術後の早期回復や少ない出血量などの患者さんのメリットの他、医療者側のメリットもあります。

(メリット)
●患者さんにとってのメリット

 ・傷口が小さいため、疼痛が少ない
 ・出血量が少ない
 ・術後の回復が早く、社会復帰が早い
 ・臓器機能温存が向上される可能性
 ・精密な操作により根治性が高まる可能性
 ・合併症の抑制

●手術操作上のメリット
 ・手術画像の質が良い
 ・体の中の狭い空間でもスムーズな操作が可能
 ・手振れが抑制され、精密な手技が可能
 ・術者の肉体的・精神的ストレスが軽減

 一方で、次のようなデメリットもあります。

(デメリット)
 ・手術器具で触れた感触が伝わらないこと
 ・セッティングにやや時間を要するため、手術時間が若干長くなること
 ・緊急事態の対応には豊富な経験を要すること
 ・機器類が非常に高価
 ・併存疾患によっては手術ができない場合がある
  ※部位によっては患者さんが20°~30°頭を下げた姿勢をとる必要があるため、
   脳動脈瘤や緑内障の患者さんの一部は受けることができません。
  ※過去に腹部手術を受けたことのある患者さんも受けることができない場合があります。
  ※詳細は担当医師にご相談ください。

ロボット手術支援の費用負担

それぞれの疾患によって手術費用は異なりますが、健康保険が適用され、高額療養費制度も適用されますので、実際の負担額は従来の手術と変わりません。入院・手術に関する費用は年齢等によって異なりますのでお問い合わせください。