薬物療法について
薬物療法
薬物療法は、点滴や内服により薬剤を全身にいきわたらせることで、全身的にがん細胞を抑えていく治療法です。がんの種類や進行程度などによって変わってきますが、薬物療法が行われる主な目的は以下の通りです。
- がんを治癒させる
- がんの進行を抑える
- がんの再発・転移を予防する
- がんによる症状を和らげる
がん薬物療法では多くの薬剤が用いられています。それらの薬剤は、作用の仕方や作用する部位などによって、いろいろな種類に分類されています。
- 細胞障害性抗がん薬
- 分子標的治療薬
- 免疫チェックポイント阻害薬
- ホルモン療法薬
実際のがん薬物療法では、がんの種類や性質、進行の程度、患者さんの体力や持病などを総合的に判断して、最も適切な薬剤を用いて治療を進めていきます。1種類の薬剤で治療を行うこともあれば、複数の薬剤を併用して行うこともあります。通常、治療法(レジメン)ごとに薬剤の投与スケジュールが決まっています(例:AとBの抗がん薬を3週間ごとに点滴で投与し、4回くり返す)。
また、抗がん薬によっていろいろな副作用が生じる可能性があります。がんに対する効果に加えて、副作用も確認しながら治療を進めていきます。
通院治療センターについて
がん薬物療法では治療期間が長くなることが多く、数ヶ月から場合によっては年単位となることもあります。一方、新たな抗がん薬の登場や副作用対策の進歩などにより、現在ではかつてのような長期間の入院を必要とするようなケースは少なくなってきました。初回治療の導入のみ入院で行って退院後は通院で治療を継続したり、初回治療から外来で治療を開始したりと、患者さんが通常の日常生活を送りながらがん治療が行えるようになってきています。
通院治療センターでは、外来で抗がん薬の点滴治療を行っています。がん診療の専門資格を持った医師・看護師・薬剤師を含む専任スタッフが、抗がん薬などの点滴管理や患者さんの健康状態の観察を行い、治療の副作用によって生じる苦痛や日常生活などに関する相談も受けています。
安心・安全・快適に治療を受けていただけるような環境を提供し、患者さんがなるべく今まで通りの生活や仕事を続けながら薬物療法を行っていけるように支援しています。
通院治療センターの診療体制
《ベッド数》
15床(ベッド2台、リクライニングチェアー13台)
《スタッフ》
・専従医師:1名
・専従看護師:1名(がん化学療法看護認定看護師)
・専任看護師:2名
・専任薬剤師:1名(外来がん治療認定薬剤師)
担当医紹介(常勤医師)
■森田 進
(もりた すすむ)
平成16年卒
- 内科
- 肝臓内科
専門医等
- 日本内科学会認定内科医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本肝臓学会専門医
「質の高い外来がん薬物療法」について
当院では保険調剤薬局との連携強化をはかり、がん薬物療法の質を向上させる観点から、下記の整備を行っております。
※ 当院は、厚生労働省告示「診療報酬の算定方法」の「外来化学療法加算」における「連携充実加算」の施設基準届出をしております。
上小メディカルネットの活用
上小メディカルネットでは、患者さんの同意を取得し、事務局に登録申請することで、レジメン名、薬歴(注射を含む)、臨床検査値などの必要データが閲覧できます。がん薬物療法の質と安全の向上を目的とした情報提供ツールとして、登録・利活用を推奨しています。
専用トレーシングレポートの活用
当院では抗がん薬服薬状況提供書(トレーシングレポート)の雛形を作成していますので、調剤薬局の薬剤師さんにおかれましてはこちらの様式をご活用ください。レポートについては患者さんの個人情報保護の観点から、完全非公開型のグループウェア(Dr.JOY)を介した運用をお願いしています。
グループウェア(Dr.JOY)への登録を済まされたうえで、当院薬剤部と連携ををご希望される薬局におかれましては、「Dr.JOY 院外連携登録シート」に必要事項を入力していただき下記まで添付送信をお願いいたします(登録には数日要します)。
(薬剤部)230-yakuzai@mail.hosp.go.jp
- ◇ Dr.JOY 院外連携登録シートのダウンロードはこちら→ Dr.JOY 院外連携登録シート
- ◇トレーシングレポート雛形(wordとPDF)のダウンロードはこちら→Word形式 、 PDF形式
- ※ 当院のがん薬物療法のレジメンにつきましては、こちらのリンクをご参照ください。→ 「当院の点滴薬物療法レジメン一覧」
- ※ 当院のがん薬物療法レジメンについてご不明の点等がございましたら、当院薬剤部までご連絡ください。
連絡先:電話0268-22-1890(代表)