胆道がんの診断・治療についてこのページを印刷する - 胆道がんの診断・治療について

診断

胆道がんは、発見が難しく、黄疸などの症状が現れ、受診・精査・発見時には進行している場合もあります。なかには非常に進行の速い癌の場合もあります。胆道がんの疑いがある場合、内視鏡的検査(ERCP)やCT,MRI等で迅速に診断、治療の準備を進めます。胆道がんはその拡がり次第で手術の方法が大きく異なることから、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)検査や同時に行う胆管生検等による正確な進展度診断は非常に重要です。

治療

癌の状態に応じ、内科的治療、外科的治療など、患者さんともよく相談しつつ治療を進めます。
診断、黄疸に対するステント治療(ドレナージ管)、および手術以外の治療としての薬物療法を、内科で担当します。

切除不能・術後再発胆道がんに対して薬物療法を行う際にも、確実な胆道ドレナージは不可欠です。適切な胆道ドレナージが行えないと感染を繰り返し、薬物療法をたびたび中断しなくてはいけなくなることもあります。どんなに有効な薬物療法であっても安定して投薬できなければ効果は期待できません。とりわけ胆道がんにおいては、胆道ドレナージの質によって薬物療法の成績も大きく影響すると言われております。切除が困難な胆道がんでは、がんが高度進行している影響でより複雑に胆管が分断していることがあります。また切除後に再発をして胆管がつまった場合には、手術によって胆管や腸管をつなぎ替えた状況にあるため、より高度な技術によって胆管閉塞の対応をする必要があります。

胆道がんの薬物療法は、徐々に進歩しているとはいえ使用可能な抗がん剤の種類もその成績も十分とは言えません。
胆道癌の手術はがんの存在する部位によって,拡大肝切除術,膵頭十二指腸切除術などが行われます.いずれの手術も消化器外科領域では最も複雑で難易度の高い手術であります.おなかの中の最も複雑な部位にでき、手術が非常に複雑で切除が困難であり、出血量も多くなりがちです。私たち外科医の習熟した手技にさまざまな医療機器を組み合わせることで、手術中の出血をできるだけ少なくするとともに,手術前後のトラブルを極力少なくするように努めつつ,根治を目指して治療を行っています.

治療方針は、消化器内科医・外科医、化学療法専門薬剤師、通院治療センター看護師(がん治療専門資格を持つ看護師)など、複数分野の医療関係者の合議で決定し、個々の患者さんに適した最新の治療を提供しています。