肺がんの診断・治療についてこのページを印刷する - 肺がんの診断・治療について

肺がんはその原因としてタバコがよく知られています。しかし,特に女性ではタバコを吸わない方でも肺がんが生じる場合もあり,肺がん患者数は現在も増加傾向にあります。また,がん死亡原因のなかで肺がんは最多となっており,早期発見・早期治療が非常に重要な病気です。

診断

肺がんが疑われた場合,まずはレントゲン検査やCT検査で胸部の写真撮影を行い,気管支鏡検査などで肺がんかどうかの確定診断を行います。気管支鏡検査は,鼻や口から肺の中へ内視鏡を挿入して病変部から細胞や組織を採取する検査です。これらの検査によって肺がんが確定した場合,次に転移の有無など肺がんの進行度を調べるための検査が必要となってきます。頭部MRI検査や腹部CT検査,骨シンチ検査,PET検査などが行われます。また,気管支鏡検査での確定診断が困難な場合には,診断と治療を兼ねた手術が行われることもあります。
 

治療

肺がんの治療には,外科治療(手術),放射線治療,薬物治療(抗がん薬治療),緩和治療(対症療法)などがあります。具体的にどのような治療法を選択するかは,肺がんの種類や進行度,治療を受ける方の元気さ(年齢,体力,合併症など)といった要素を総合的に検討して決定します。一般的に,早期の肺がんであれば外科治療が,進行した肺がんであれば抗がん薬治療が選択されます。病状によっては,複数の治療法を組み合わせて行うこともあります。

外科治療では,手術により肺がんの完治を目指します。主に胸腔鏡を用いて行っていますが,病変の部位や進行度などにより開胸で行う場合があります。一方,抗がん薬治療は肺がんの進行を遅らせたり症状を和らげたりすることを目標として行っていく治療法です。治療に用いられる抗がん薬は年々進歩しており,従来からの抗がん剤(殺細胞性抗がん薬)に加えて分子標的薬が使われるようになり,近年は免疫チェックポイント阻害薬が登場して薬物治療の選択肢が拡がっています。

患者さんの状況を総合的に判断し、最適な治療を個々に相談しながら進めていきます。