脳腫瘍の診断・治療についてこのページを印刷する - 脳腫瘍の診断・治療について

脳腫瘍とは、頭蓋内にできる腫瘍の総称です。脳や脳の周囲の組織から生じるすべての頭蓋内の腫瘍を含めて脳腫瘍といいます。脳腫瘍は、頭蓋内から発生した「原発性脳腫瘍」と、他の臓器で生じたがんが脳に運ばれてできた「転移性脳腫瘍」に分類されます。原発性脳腫瘍の発生頻度は人口1万人につき年間1-2人とされています。脳腫瘍は組織学的にはおよそ150種類に分けられます。

症状

脳腫瘍の症状は腫瘍のできる場所によってさまざまです。発生部位によっては運動麻痺、言語障害、難聴、視力・視野障害などを伴うことがあります。腫瘍が大きくなると、頭蓋内の圧が高くなり、頭痛、吐き気、嘔吐などの頭蓋内圧亢進症状が現れます。また、てんかん(けいれん発作)も脳腫瘍により生じやすい症状です。女性の場合は、無月経(月経不順)や妊娠していないにもかかわらず母乳が出る(乳汁漏出)という症状のこともあります。頭痛と吐き気、運動麻痺、言語障害、けいれんなどがみられたら、早めに専門的な医療機関を受診してください。

診断

脳腫瘍が疑われる場合、専門的な診察や神経学的検査を行い、頭部CT検査や頭部MRI検査で頭の中の画像検査を行います。これらの診察や検査によって、脳腫瘍であるかどうか、また、腫瘍の種類(診断)や性質などをある程度推測できます。

治療

1)原発性脳腫瘍
脳腫瘍の種類(診断)によって異なりますが、外科的手術、放射線治療、化学療法、薬物療法などを組み合わせて治療を行います。

2)転移性脳腫瘍
体の他の臓器の腫瘍が転移してきたものを転移性脳腫瘍といいます。がん患者が増え、高齢化社会を迎えて、転移性脳腫瘍は増えています。大きな腫瘍や手術しやすい場所の腫瘍は手術で摘出し、比較的小さな腫瘍はガンマナイフやサイバーナイフといった定位的放射線治療を行ないます。