放射線部門
一般撮影室
一般撮影はエックス線単純撮影とも呼ばれるもので、簡便かつ迅速に画像を提供できます。したがって胸部や腹部、手や足など、最初に診断をつけるのに用いられる画像検査です。人体は骨、空気、脂肪、筋肉などで構成されており、これら組織のエックス線吸収差を白黒の写真として表現します。
当院では、フラットパネルやDRと呼ばれる装置を2018年春期に導入し、従来より一段と放射線被ばくを少なくすることが可能となりました。また、コンピュータの画面上で拡大や濃度調整など自在に変更し診断しやすい画像を提供することができます。
乳房撮影
乳房撮影装置とは、乳がんを早期に発見するために乳房をX線で撮影する専用装置です。
乳房の大部分は乳腺組織、脂肪組織で構成されているため、エネルギーの低いX線を用いて撮影します。当院では、フラットパネルを搭載したデジタルマンモグラフィ装置を使用していることより、高画質、高精細の画像が得られ、乳房撮影の新しい技術であるトモシンセシス(3D)撮影も可能となっています。
歯科撮影
歯科撮影にはパントモ撮影、デンタル撮影、セファロ撮影があります。
パントモ撮影とは歯全体、顎全体を一枚の断層画像として撮影したものです。主に歯や歯周組織全体の様子や顎関節、上下顎骨の観察目的に行います。
デンタル撮影とはフィルムを口内に入れて外部からX線を照射して撮影をする方法です。デンタル撮影は歯全体ではなくそれぞれの歯を撮影します。
セファロ撮影では撮影されたX線写真を分析することにより、顎の発育成長を経時的に比較評価することができます。
X線CT室
80列マルチスライスCT装置
心臓の3D画像解析表示例
CTとは、Computed Tomography(コンピュータ断層撮影)の略語で、X線を利用して人体の輪切りを画像にする装置です。
当院では、80列マルチスライス(らせん)CTを導入しており、広範囲を短時間かつ高精細に撮影することが可能です。得られた画像データから、3D(立体)画像を再構成し様々な方向の画像を作成することで、初期の小さな病変や血管形態の異常を全身にわたり見つけることが可能となります。
MRI検査室
脳血管のMRI画像
MRIとは(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)の略称です。
MRI検査は、強力な磁場(1.5T)と電波を利用して体内の状態を撮影する検査です。姿勢を変えることなく、あらゆる角度から体のいろいろな部分の断面像を得ることができます。例えば脳や脳血管、卵巣、前立腺等の下腹部、脊椎、四肢などに有効です。放射線を使わないので、被ばくの心配もありません。
近年普及しているMRI対応心臓デバイスを植込まれている患者さまに対して、禁忌であったMRI検査も特定条件下で撮像可能としています。
RI検査室
ガンマカメラ
RIとはRadio Isotopeの略でアイソトープ検査、または核医学検査とも呼ばれます。 核医学検査とは、目的臓器に集まる性質がある薬剤に、ごく微量な放射性同位元素(ラジオアイソトープ)を添加した検査薬を静脈注射や経口で投与し、放射線を検出できるカメラで、体内から出る放射線を撮影し、検査薬が、どのような速さで、どこに、どれだけ集まってくるかを調べることで、臓器の働きや病気の有無がわかる検査です。
X線TV室
X線TV装置は連続的にX線を出すことで、普通のテレビのように身体の動きや状態を動画として確認しながら、最適なタイミングの画像を撮影する装置です。体の中を透視して見ることができるという利点を活かし、消化器・泌尿器・整形外科・呼吸器・など各診療科のさまざまな検査が幅広く行われます。
当院ではFPDを搭載した機器を使用しており、従来のシステムでのデメリットであった歪みや感度ムラをおさえ、ノイズを抑制することで質の高い画像提供が可能となっています。
血管撮影室
血管撮影検査法(アンギオグラフィ)は、手首や肘、足の付け根から細い管(カテーテル)を目的の血管まで入れ、造影剤を注入し血管の形状などを観察する方法です。
当院では主に心臓、頭部の検査に利用され、診断及び治療をおこなっています。この装置は、正面と側面が同時撮影できるバイプレーン機構を備え、平面検出器(FPD)を搭載しています。FPDは画像解像度が高く、病変解析機能も向上するとともに、X線利用効率のアップにより被ばく量も低減されます。
骨密度測定室
当院の骨密度測定はDXA法(Dual Energy X-ray Absorptiometry)を用いており、2種類のX線を腰椎や大腿骨頸部に照射し、骨と他の組織のX線吸収の差によって骨密度を測定します。主に骨粗鬆症の診断や治療効果の評価をすることが出来ます。
放射線治療室
当院の放射線治療は、高エネルギーエックス線を発生するリニアック治療装置で行います。体の外側から決められた治療範囲に限定した放射線を照射し、がん治療を行います。
治療装置は、米国Varian社製「21-EX」で、X線のエネルギーは6MVと10MVが出力でき、診断用X線撮影装置であるOBI(On-boad imager)を搭載していることが特徴です。OBIを用いて画像照合することで、照射する位置の精度を高めることが可能となります。
治療用CT室
放射線治療の準備で必要な画像を取得するための専用CT装置です。
CT装置は、東芝社製「Aquilion LB」(16列)です。大きな口径が特徴で、照射時と同じ体位で撮影が可能です。患者さんには照射をする時と同じ姿勢で寝てもらいます。CT撮影とともに、必要なしるしを体につけます。