脳神経外科このページを印刷する - 脳神経外科

外来担当医

 
脳神経外科 東山
大屋
木内
大屋
東山 木内
大屋

診療内容・特徴

私たちは、脳卒中、脳血管障害、脳腫瘍(良性・悪性)、頭部外傷、水頭症など、脳神経外科疾患全般に対して、最新の診断と治療技術に基づいた安全で質の高い診療を安心して受けていただけるよう心がけています。

特に脳卒中と脳腫瘍は多職種スタッフで行う「チーム医療」が必要とされますが、最高かつ最善の診療を提供し、また、切らずに治す血管内治療や神経内視鏡も採り入れ、様々な診断・治療技術を導入して集学的医療を行い、患者さんの個々の生活の質(QOL)に配慮し、その人にとって最善の方法とは何かを常に考えていきたいと思います。

また、日常生活をより快適に過ごせるように手術後の傷や骨の凹みなどの創部の整容にも気を配っており、開頭術では髪の毛を全く切らず(剃らず)、なるべく早くストレス少なく社会復帰出来るようにと考えています。脳腫瘍治療と脳血管内治療については上田地域以外の県内や県外からの患者さんも紹介され、受診しています。

脳ドック診療は受診者が年々増えていますが、ドック受診までの待ち時間を極力短くするために、土曜日のMRI検査体制を作り、脳外科専門医による説明時間枠を増やすなどの努力をしています。

24時間対応の脳卒中診療体制について

脳卒中(くも膜下出血、脳梗塞、脳出血)の多くは突然に発症し、意識障害を伴うこともあります。 脳梗塞と脳出血の主な症状は、片方の手足や顔半分の麻痺やしびれ、歩けない、ろれつが回らない、言葉が出ない、片方の目が見えない、物が二つに見える、などです。くも膜下出血の典型的な症状は、突然の激しい頭痛です。

このような症状があり、脳卒中が疑われたら、直ちに救急車(119番)を呼ぶか、または当院にご連絡ください。症状が軽かったり、症状が治まったとしても、必ず医療機関を受診しましょう。私たちは、24時間対応の脳卒中診療体制で、脳卒中に対し緊急開頭手術、脳血管内治療、急性期血栓溶解剤(t-PA)療法、薬剤治療を実施しています。重症脳梗塞患者で再開通の得られない場合は、血栓除去療法(血管内治療)を施行しています。

そして、入院早期よりリハビリテーションを開始し、ADL(日常生活動作)の改善に努めています。近隣の回復期リハビリテーション施設との連携も図っています。

啓発活動について

脳卒中に関する知識を広め、市民の脳卒中に関する理解を深める目的で「市民公開講座」や「出前講座」の活動をしています。最近では、脳卒中発症前の予防や早期発見・早期治療で症状の改善が図れるようになってきました。今後も様々な形で啓発活動をしていきますが、脳卒中の理解を深めることで、皆様の早期治療と発症予防に役立てていただければ幸いです。

また、手術で治る認知症として、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症などがあり、診断と治療の啓発活動をしています。 脳卒中についてはもちろんですが、脳腫瘍、頭部外傷、水頭症、頭痛などについての勉強会や講義をご要望の場合は、お気軽にお申しつけください。

脳腫瘍の治療について

脳腫瘍とは頭蓋内に発生したできものを総称した呼び名ですが、それぞれの腫瘍の種類(神経膠腫、髄膜腫、下垂体腺腫など)、出来た場所(大脳、脳幹や小脳など)や大きさ等によって、手術療法、放射線療法、化学療法および免疫療法、またはこれらを効果的に組み合わせた集学的治療が必要とされます。 初期の治療後も、治療や検査のために定期的な診察が長期にわたって求められますし、同時に痛みや苦痛を和らげる緩和医療も考慮する必要があります。

手術においては、より安全、確実な顕微鏡下手術を心掛け、ナビゲーション、電気生理学的モニタリング、蛍光染色法等の手術支援を積極的に活用しています。

転移性脳腫瘍に対しては、手術、放射線治療、緩和医療を組み合わせて治療を行い、ガンマナイフ治療の適応には連携病院へのスムーズな紹介が可能です。 このように脳腫瘍の診療では、高い専門性と特殊性が要求されます。また、脳腫瘍の中には、どうしても治りにくいタイプや症状があります。迅速に、出来るだけ苦痛少なく、身体機能を損なわずに脳腫瘍を治療することをめざし、満足度を高める医療を推進していきます。

その他

  • 脳動脈瘤の治療は、「開頭クリッピング術」および「脳動脈瘤コイル塞栓術」のどちらも対応可能で、年齢、全身状態、動脈瘤の部位・サイズなどを考慮し、より安全・確実な治療法を提示しています。脳動脈瘤や頸動脈狭窄症などに対しては、切らずに治す「脳血管内治療」を積極的に行っています。
  • 下垂体腫瘍、髄膜腫などの良性脳腫瘍に対する手術(腫瘍摘出術)では、身体機能を損なわずに、できるだけ苦痛少なく、満足度を高める治療を推進していきます。
  • 神経膠腫(グリオーマ)、膠芽腫(グリオブラストーマ)という悪性脳腫瘍に対して、手術、放射線治療、化学療法、緩和医療を組み合わせた集学的治療を行っています。
  • 神経内視鏡を用いた脳腫瘍生検術・摘出術、水頭症手術(開窓術)、脳出血除去術など、非侵襲的治療を組み入れています。
  • ガンマナイフ治療、陽子線治療などの特殊な放射線治療は、県内・県外施設と連携があり、最新かつ最適な治療を受けることが可能です。

セカンドオピニオンについて

脳腫瘍、脳血管内治療、脳卒中治療については「セカンドオピニオン」にも対応しています。脳腫瘍、脳動脈瘤、頸動脈狭窄症などでお悩みの方に、最新の医療情報に基づき、ご理解いただけるように説明いたします。いずれも当院の「地域医療連携室」を通じてご予約くださいますよう、お願いいたします。

私たちは、脳神経外科疾患に関して「地域を支える」という姿勢で、院内、近隣病院、診療所、消防、行政などとの医療連携をさらに強化し、医療の向上と市民の健康のために、地域医療に取り組んでいます。そして、日本および世界の情勢を常に見ながら、地域の中で高度医療を提供し続け、医療の質を高めていきます。

脳ドックのご案内

脳疾患の予防と異常の早期発見・早期治療の目的で「脳ドック」はお勧めです。 脳ドックとは、症状の無い人を対象にMRI、MRAによる画像診断を中心に検査を行い、無症候性あるいは未発症の脳および脳血管の異常、あるいはその危険因子を発見し、それらの進行あるいは発症を防止(予防)することを目的とした脳の検診です。脳ドックは、脳梗塞、くも膜下出血、脳腫瘍などの早期発見、または予防に有効です。

高血圧、糖尿病、肥満、喫煙などの危険因子がある、ご家族に脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの病歴がある、頭痛やめまいがする、一度も脳の検査を受けたことが無い――などに心当たりがある人は、脳ドックの受診を検討してください。

専門外来

疾患・症状による専門外来の曜日と担当医(カッコ内)

  • くも膜下出血、脳梗塞、脳出血:いつでも対応します。
  • 脳血管内治療:月曜日午後(大屋)、水曜日午前(大屋)
  • 脳動脈瘤:月曜日午後(大屋)、水曜日午前(大屋)
  • 頸動脈狭窄症:月曜日午後(大屋)、水曜日午前(大屋)
  • 頭痛:平日午前

診療実績

2023年1月~12月

  • 開頭および穿頭手術    65件
  • 脳血管内手術       29件
  • 脳梗塞に対する血管内治療 32件
  • 脳腫瘍手術        17件
  • 脳動脈瘤手術        4件
  • 頭部外傷         18件

診療体制

  • 日本脳神経外科学会専門医研修施設(信州大学医学部脳神経外科を基幹施設とする研修プログラム)
  • 日本脳卒中学会認定研修教育病院
  • 信州大学医学部医学科脳神経外科臨床実習病院
  • 脳梗塞に対するt-PA治療実施医療機関

担当医紹介(常勤医師)

大屋房一

大屋 房一
(おおや ふさかず)

脳神経外科部長
救急部長
平成元年卒
専門領域
  • 脳卒中(脳梗塞・クモ膜下出血など)
  • 脳血管内治療
  • 頭部外傷
  • 小児神経外科一般
専門医等
  • 日本脳神経外科学会専門医・指導医
  • 日本脳神経血管内治療学会認定専門医
  • 臨床研修指導医
  • ICLS・BLSコースディレクター
  • 日本・長野県DMAT隊員
  • 災害医療コーディネーター

東山 史子
ひがしやま ふみこ)

脳神経外科医長
リハビリテーション科医師
平成9年卒
専門領域
  • 脳卒中
  • 頭部外傷
専門医等
  • 日本脳神経外科学会専門医・指導医
  • 日本脳卒中学会専門医
  • 臨床研修指導医
 

木内 貴史
(きうち たかふみ)

脳神経外科医師
平成20年卒
専門領域
  • 脳神経外科一般
  • 脳血管内治療
専門医等
  • 日本脳神経外科学会専門医・指導医
  • 日本脳神経血管内治療学会専門医
  • 日本脳卒中学会専門医・指導医
 

本院で脳神経外科治療を受けた患者さんへのお願い

現在、当院では、「日本脳神経外科学会データベース研究事業(Japan Neurosurgical Database:JND)」に協力しています。2018年1月から当院脳神経外科に入院された患者さんの臨床データを解析させて頂き、脳神経外科医療の質の評価に役立てることを目的としています。

解析にあたって提供するデータは、提供前に個人を特定できない形に加工した上で提供しますので、患者さんの個人のプライバシーは完全に保護されます。

本研究の解析に自分のデータを使用されることを拒否される方は、当事業実施責任者の脳神経外科大屋房一医師にその旨お申し出下さいますようお願い致します。

その他研究事業についての資料の閲覧を希望される方は、研究班ホームページ(https://j-aspect.jp)をご参照下さい。