外科・消化器外科

　食道・胃・小腸・大腸の消化管の疾患と、肝臓・胆嚢・胆管・膵臓・脾臓の疾患に対して、手術療法を中心に行っている科です。悪性疾患から、鼠径ヘルニア、急性虫垂炎、胆嚢炎、腸閉塞などの良性疾患、救急疾患に対しても、幅広く対応しています。

　2018年度から3名から5名に増員され、現在は7名で日々の診療に当たっています。これまで当院で十分に対応できなかった肝胆膵領域の手術や腹腔鏡手術も対応可能となっております。信州大学病院などの遠隔地へ紹介していた消化器外科手術が対応可能となり、上小地域内で治療が完結できるようになりました。さらに、2021年度から内視鏡外科技術認定医が1名増員されました。

　救急体制も整え、24時間緊急手術が対応可能となっています。

　2022年の外科における全身麻酔手術症例数は、654例でした。

■消化管手術

• 食道疾患(良性・悪性): 食道がんに対しては、手術の前に化学療法（抗がん剤治療）を行い、がんを小さくしてから、胸腔鏡下食道切除手術を行っています。最近増えている食道胃接合部がんにも対応しています。強い逆流性食道炎の原因になります食道裂孔（れっこう）ヘルニアに対しては、腹腔鏡下での修復術を行っています。
• 胃疾患（良性・悪性）：早期胃がんに対し、腹腔鏡下胃切除（全摘、幽門側切除、噴門側切除）を行っています。胃GIST（消化管間質腫瘍）などには、LECS（腹腔鏡・内視鏡合同手術）も導入しています。
• 小腸疾患(良性・悪性) : 良性疾患や早期がんに対しては腹腔鏡手術を行っています。
• 大腸疾患(良性・悪性) : 良性疾患や早期がんに対しては腹腔鏡下大腸切除術を行っています。肛門を温存するため、ISR（括約筋間直腸切除術）も導入しています。肛門に近い腫瘍に対しては、TEM（経肛門的内視鏡下マイクロサージェリー）も行っています。
• 肛門疾患：直腸脱に対し、腹腔鏡下直腸固定術も行っています。

■肝胆膵手術

• 肝疾患(良性・悪性) : 肝細胞がんや胆管細胞がん、多発肝転移などに対して系統的亜区域切除から拡大葉切除までほぼすべての手術が可能です。病状により腹腔鏡手術も対応可能です。
• 胆道疾患(良性・悪性) : 胆管がん、胆嚢がんなどに対して膵頭十二指腸切除から拡大葉切除までほぼすべての手術が可能です。良性疾患や一部の早期がんに対しては腹腔鏡手術も対応可能です。
• 膵疾患(良性・悪性) : 膵がんに対しては膵頭十二指腸切除や膵体尾部切除術、血管合併切除再建を行っています。良性疾患に対して、腫瘍核出術や腹腔鏡下体尾部切除術を行っています。

　悪性疾患に対しては、術前・術後の化学療法(抗がん剤治療)を組み合わせて、根治性の向上に努めています。
いずれの疾患に対しましても、診療ガイドラインに則り、治療方針を決めております。また、定期的に消化器内科と合同カンファレンス(会議)を行い、密な連携の上、がんの進行度や病状、また、患者さんのご意向を尊重し、患者さんひとりひとりに合った最適な治療を目指しています。

■緊急疾患

• 夜間休日を問わず常時2名の拘束体制をとっており、緊急手術はいつでも受け入れ可能です。
• 消化管穿孔(せんこう)による腹膜炎、腸閉塞、鼠径ヘルニア嵌頓(かんとん)、虫垂炎、胆嚢炎などの救急疾患にも、迅速に対応しています。急性胆嚢炎や虫垂炎に対し、腹腔鏡手術を積極的に行っております。

■鼠径ヘルニア・腹壁瘢痕ヘルニア

• 鼠径ヘルニアに対し、腹腔鏡手術を中心に行っています。
• 腹壁瘢痕ヘルニアに対し、修復術を行っています。

■その他

• 後腹膜腫瘍なども対応いたします。